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1 退屈な雨 2009年7月10日 金曜日 ひとりで車を走らせていると、突然空が暗くなり大粒の雨が降り出した。 雨は誰の上にも平等に降るものなのに、車の中にいては当然濡れずにすむ。動いたのはワイパーだけで、何も感じない。 退屈な雨。 こういう些細な日常がバイクを思い出させる。いつも同じ思考回路だ。 雨の降り始めは嫌いだった。 白線もマンホールも滑りやすい。この先へ続く道が、遠くが見えない。 それから、ほとんどの場合失敗するのはバイクをとめてカッパを着るタイミングだった。まだ大丈夫だろうと小雨の中を走り続けてビショビショになるか、几帳面にカッパを着た途端に雨雲を通り過ぎるか。そういうものだ。 ![]() でも、湿った空気に包まれるのは嫌いじゃなかった。 雨のしずくが緑を飾るのも見れた。 それに、いったん濡れてしまえばそれが常態になるのだからなんてことはない。 雨が降れば濡れるなんて当たり前のこと、いまさら言うほどの価値もない。冬の夜の雨を除けば、私は雨に馴染んでいたと思う。 それに比べて、今日はなんて退屈な雨が降るんだろう。 いや、こうやって心に思いうかんだつまらないことを日記に書くときは、なんでも誇張して書くことに注意を払うべきだった。 大切なのは、今、この景色から始めて、目の前にあるものより前へいかないこと。 つまり、出来る限り単純なことを言うことだ。 だから、私は「バイクに乗りたい」と書く。 強がることなく素直に言えば、毎日バイクのことを思っている。 バイクのない生活には慣れてきたし、まわりの人のおかげで一つ一つの時間は楽しい。 でも、「慣れ」というのは優しいふりをしてくれるだけ。 全体を眺めると、どうしても「バイクが足りない」。 →次の日記へ
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