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10 日々平安
6 シュスランの花言葉
2009年8月11日 火曜日
午後3時。パソコンに一通のメールが届く。それはホームページの「拝啓オートバイ様」を読んでくれた人からのメール。
「傷はもう癒えましたか。」
私は鏡に向かい傷を見る。
残ったのは、ほんの少しの傷跡。
毎日これを見ながら思う。
ないよりは、あったほうがいい、と。
傷は、人を少しは深くしてくれるだろう。
私を少しは賢くしてくれるだろう。
事故によって考えたことを忘れないでいられるなら、ないよりはあったほうがいい。
再びパソコンにむかい、人から頂いたメールを読み返していく。
「今の時間はバイクが与えてくれた休息時間かもしれない」と励ましてくれた人。
私の選んだ道を「前に進むための道だと思う」と背中を押してくれた人。
シュスランの花言葉が「日々平安」だということを知らせてくれた人もいる。
「日々平安」、それはどんな毎日だろう。
そのとき、シュスランが私の心にも咲いたとき、バイクから見る風景はどんなものだろう。
そんなことができるんだろうか。
まだなにも解決していない。
ほとんど何も分からないままである。
でも、 あとで振り返ったとき、「前に進むための道だった」と思い、「あれは自らを養う時間だった」と思えるようにしないといけない。 メールをくれたたくさんの方、mitiさん、どうもありがとうございます。
見ててください。冬が寒かった年は、きれいな花が咲くんだから。
そう自分に言い聞かせるように書きとめて、赤いノートを閉じる。
「日々平安」とバイクから見る風景をイメージする。
私は明日もまた日記を書くだろう。
まだ見ぬ風景を見れる日まで、心の変化を、一つ一つの言葉を、目の前の風景を、顕微鏡で覗くようにして書き続けていくだろう。
何かが起こると、もう元へは戻れないのだから。
この瞬間ごとに、今までの自分とは違うのだから。
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女性ライダーバイクエッセイ集
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